ばね用ベリリウム銅/ばね用りん青銅/ばね用洋白
伸銅品用語における”伸銅品の種類”の中の、”用途別”に分類されている用語のうち、『ばね用ベリリウム銅』、『ばね用りん青銅』、『ばね用洋白』のJIS規格における定義その他について。
伸銅品の種類、加工、熱処理、品質、性能、試験などに関する主な用語として、伸銅品用語(JIS H 0500)において、”伸銅品の種類”のうちの、”用途別”に分類されている用語には、以下の、『ばね用ベリリウム銅』、『ばね用りん青銅』、『ばね用洋白』などの用語が定義されています。
伸銅品用語(JIS H 0500)
⇒【伸銅品の種類 > 用途別】
分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 用途別
番号: 1402
用語: ばね用ベリリウム銅(※1)
定義:
ばね用材料として、特に時効硬化(2535参照)処理条件及びばね限界値(3170参照)が規定されるベリリウム銅(1116参照)(C1700、C1720)。
参考:
板及び条として、コネクタ、スイッチ、リレー、接点などに用いられる。
対応英語(参考):
copper-beryllium alloy for spring
分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 用途別
番号: 1403
用語: ばね用りん青銅(※1)
定義:
バネ用材料として、バネ限界値(3170参照)が規定されている すず7.0〜9.0%を含むリン青銅(1151参照)(C5210)。
参考:
板及び条として、コネクタ、スイッチ、リレー、接点などに用いられる。
対応英語(参考):
phosphor bronze for spring
分類: 伸銅品用語 > 伸銅品の種類 > 用途別
番号: 1404
用語: ばね用洋白(※1)
定義:
ばね用材料として、ばね限界値(3170参照)が規定されている銅 54.0〜58.0%、ニッケル 16.5〜19.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C7701)。
参考:
板及び条として、コネクタ、スイッチ、リレー、接点などに用いられる。
対応英語(参考):
nickel silver for spring
(※1)
ばね用ベリリウム銅、ばね用りん青銅、ばね用洋白については、以下のJIS規格に規定されています。
JIS H 3130
ばね用ベリリウム銅,チタン銅,りん青銅,ニッケル−すず銅及び洋白の板並びに条
この規格では、圧延したばね用(バネ用)のベリリウム銅、チタン銅、りん青銅(リン青銅)及び洋白の板及び条について規定されています。
この規格では、それぞれの記号、特性・特色及び用途例としては、以下のように規定されています。
・ばね用ベリリウム銅(バネ用ベリリウム銅)
記号:C1700、C1720
耐食性がよく、時効硬化処理前は展延性に富み、時効硬化処理後は耐疲労性、導電性が増加する。
ミルハードン材を除き、時効硬化処理は成形加工後に行う。
高性能ばね、継電器用ばね、電気機器用ばね、マイクロスイッチ、ダイヤフラム、ベロー、ヒューズクリップ、コネクタ、ソケットなど。
・ばね用りん青銅(バネ用リン青銅)
記号:C5210
展延性・耐疲労性・耐食性がよい。
特に低温焼きなましを施してあるので、高性能バネ材に適する。
質別SHはほとんど曲げ加工を施さない板バネに用いる。電子・通信・情報・電気・計測機器用のスイッチ、コネクタ、リレーなど。
・ばね用洋白(バネ用洋白)
記号:C7701
光沢が美しく、展延性・耐疲労性・耐食性がよい。
特に低温焼きなましを施してあるので、高性能ばね材に適する。
質別SHはほとんど曲げ加工を施さない板ばねに用いる。電子・通信・情報・電気・計測機器用のスイッチ、コネクタ、リレーなど。