熱間加工/熱間圧延/熱間圧延上り
伸銅品用語における”加工・熱処理”の中の、”熱間加工”に分類されている用語のうち、『熱間加工』、『熱間圧延』、『熱間圧延上り』のJIS規格における定義その他について。
伸銅品の種類、加工、熱処理、品質、性能、試験などに関する主な用語として、伸銅品用語(JIS H 0500)において、”加工・熱処理”のうちの、”熱間加工”に分類されている用語には、以下の、『熱間加工』、『熱間圧延』、『熱間圧延上り』などの用語が定義されています。
伸銅品用語(JIS H 0500)
⇒【加工・熱処理 > 熱間加工】
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱間加工
番号: 2200
用語: 熱間加工
定義:
ひずみ硬化を生じないような温度範囲で行う金属又は合金(5100参照)の塑性加工。
対応英語(参考):
hot working
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱間加工
番号: 2201
用語: 熱間圧延
定義:
再結晶温度(※1)以上の延性が大きい温度範囲で、ロール間に材料を通して板厚を圧下減少させ、所定の形状にする塑性加工。
参考:
銅及び銅合金では、通常、650〜950℃の温度に加熱して圧延する。
対応英語(参考):
hot rolling
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱間加工
番号: 2202
用語: 熱間圧延上り
定義:
熱間圧延(2201参照)だけによって仕上げられる製品。
参考:
伸銅品(1201参照)のJISでは、形状記号(1193参照)の後に質別(5603参照)を示す[F(Fabricated)]を付ける。
銅及び銅合金では、通常、650〜950℃の温度に加熱して圧延する。
対応英語(参考):
hot rolled finish
(※1)
再結晶温度とは、再結晶を起こす温度のことです。
再結晶温度は、金属及び合金の純度又は組成、結晶内の塑性ひずみの程度、過熱の時間などによって著しい影響を受けます。
なお、再結晶とは、冷間加工などで塑性ひずみを受けた結晶が加熱されるとき、内部応力が減少する過程に続いて、ひずみが残っている元の結晶粒から内部ひずみのない新しい結晶の核が発生し、その数を増すとともに、各々の核は次第に成長して、元の結晶粒と置き換わっていく現象のことです。