加工硬化/加工硬化曲線/引抜き
伸銅品用語における”加工・熱処理”の中の、”冷間加工”に分類されている用語のうち、『加工硬化』、『加工硬化曲線』、『引抜き』のJIS規格における定義その他について。
伸銅品の種類、加工、熱処理、品質、性能、試験などに関する主な用語として、伸銅品用語(JIS H 0500)において、”加工・熱処理”のうちの、”冷間加工”に分類されている用語には、以下の、『加工硬化』、『加工硬化曲線』、『引抜き』などの用語が定義されています。
伸銅品用語(JIS H 0500)
⇒【加工・熱処理 > 冷間加工】
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 冷間加工
番号: 2309
用語: 加工硬化
定義:
冷間圧延(2301参照)、引抜き(2320参照)などの加工を冷間で行った場合、加工ひずみ(歪)の増大に伴って材料が硬化する現象。
参考:
ひずみ硬化ともいう。
対応英語(参考):
work hardening,
strain hardening
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 冷間加工
番号: 2310
用語: 加工硬化曲線
定義:
縦軸に硬さ、引張強さ(3100参照)、伸び(3102参照)などの機械的性質を、横軸に冷間加工(2300参照)における加工率(2308参照)を取り、加工率の増加に伴って加工硬化(2309参照)によってこれらの性質が変化する状況を示した曲線。
参考:
例としてC2680R(黄銅条:厚さ0.7mm)(※1)の加工硬化曲線を次に示す。
対応英語(参考):
work hardening curves,
strain hardening curves
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 冷間加工
番号: 2320
用語: 引抜き
定義:
管、棒及び線の製造において、ダイスを通して断面積を減少させ、所定の形状にする塑性加工。
参考:
管の場合は、通常、管内部にプラグを入れて加工する。
対応英語(参考):
drawing
(※1)
C2680は、JIS H 3100(銅及び銅合金の板並びに条)に規定される黄銅の一種であり、特性・特色及び用途例としては以下です。
【C2680 黄銅】
展延性・絞り加工性・めっき性がよい。スナップボタン、カメラ、まほう瓶などの深絞り用、端子コネクター、配線器具など。