自然時効/人工時効,析出熱処理/溶体化処理兼人工時効,完全熱処理
伸銅品用語における”加工・熱処理”の中の、”熱処理”に分類されている用語のうち、『自然時効』、『人工時効,析出熱処理』、『溶体化処理兼人工時効,完全熱処理』のJIS規格における定義その他について。
伸銅品の種類、加工、熱処理、品質、性能、試験などに関する主な用語として、伸銅品用語(JIS H 0500)において、”加工・熱処理”のうちの、”熱処理”に分類されている用語には、以下の、『自然時効』、『人工時効,析出熱処理』、『溶体化処理兼人工時効,完全熱処理』などの用語が定義されています。
伸銅品用語(JIS H 0500)
⇒【加工・熱処理 > 熱処理】
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱処理
番号: 2531
用語: 自然時効
定義:
室温に放置することによって自然に過飽和固溶体(※1)から微細な二次相を析出(※2)させる熱処理。
対応英語(参考):
natural ageing
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱処理
番号: 2532
用語: 人工時効,析出熱処理
定義:
室温以上で加熱することによって過飽和固溶体から微細な二次相を析出させる熱処理。
対応英語(参考):
artificial ageing,
precipitation heat treatment
分類: 伸銅品用語 > 加工・熱処理 > 熱処理
番号: 2533
用語: 溶体化処理兼人工時効,完全熱処理
定義:
溶体化処理(2530参照)に続く析出熱処理(人工時効)(2532参照)。
対応英語(参考):
solution treated and artificially aged,
full heat treatment
(※1)
過飽和固溶体とは、その温度での平衡溶解度以上に溶質を固溶している固溶体(2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相)のことです。
(※2)
析出とは、析出とは、固溶体から異相の結晶が分離成長する現象のことです。
なお、過飽和固溶体(その温度での平衡溶解度以上に溶質を固溶している固溶体)からの1種以上の化合物の析出による鉄鋼製品の硬化のことを、析出硬化と言います。